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2011/10/13
エーレンフリート・プファイファー [Ehrenfried Pfeiffer]について by たわふ
植物と人間の生理学における下位自然と超自然」という本を仕入れました。著者のプファイファーって?だれ?と最初思いましたが、ファイファーだと気づきました。欧米でどう発音するのか知らないですが、他の本では、ファイファーやプァイファーと書かれることのほうが多いと思う。

私が知っている著者って、ほとんどいないのですが、ファイファーはちょこっと知ってます。バイオダイナミック関係の本で時々出てくるのです。(日本語訳された本は1冊知ってますけど絶版です。海外では沢山出版されているとのこと。当店でファイファーが出てくるのは残念ながら本書のみです)

なぜ、ファイファーのことが書きたくなったかというと、今の日本でも同じ事が起こっているのではないかと思い、ファイファーがしたくてできなかったことを紹介したいと思ったからです。

ファイファーはシュタイナーの弟子で、直接教えてもらった人のようです。この本の最初にも書いてありますが、ちょっとした待ち時間などでシュタイナーは食べ物についてよく語ってくれたそうです。なぜそんなに食べ物について語るかは、この本の結論として書いてあることがヒントになるでしょう。

そのようにシュタイナーの話を間近で聞いているファイファーが目指したことの一つのエピソードが「土壌の神秘」という本の第四章に書いてあります。以下、その内容を要約、抜粋、引用します。(「土壌の神秘」では、プァイファーと書いてある)
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プァイファーは、シュタイナーが提唱したバイオダイナミック調剤を発展させた「スターター」を開発した。いろいろな系統の細菌をあつめ休眠状態にして調剤を加えたもので、大変活力に満ち、都市からでる生ごみや、畜殺場の廃物を貴重な有機肥料に一変させることができる。出来上がる肥料は化学肥料よりも安くできる。
色々な人にかけあい、資金を調達し、処理する建物を建設した。この建物の中では、1日に100トンのぐたっとした廃物がベルトコンベアにのせられて機械に送り込まれ、プァイファーのスターターを接種された堆肥となる。バクテリアは即座に活動を始め、二日から四日以内で三億倍にも増殖。生ゴミを分解し消化するにつれ、混合物は華氏150℃(摂氏65.5度)以上にも暖まり、濃い雲のような蒸気を吐き出す。一週間で分解が完了したゴミの山は小さく冷えていく。

「転換された生ゴミ堆肥を使って栽培された野菜類は、従来の肥料で育てられた野菜より重量で二十五パーセントも重いことがわかった。また、ビタミンAは三倍も多く含んでいた。穀物も一貫してより高い蛋白質含有量を示した。実験室での実験では、プァイファーの混合肥料は不毛の砂さえ植物を繁殖させる力を与え、十分な水がえられさえすれば、やがては砂漠を肥沃な農地に一変させることができる、ということが証明された。有機物、ミネラルのバランス、それに水分の吸収・保持という土壌になくてはならぬ構造、そうしたものを回復されたのである。
 望みは、国民に自然有機肥料を安価で供給し、表土をしっかりと固定し、北米大陸が黄塵地帯化する傾向を逆転させることだった。「もし合衆国のすべての生ゴミが毎年処理されるならば」とプァイファーは言うのだった。「私たちは約3000万トンの堆肥をえることになり、これは1000万エーカーの土地を肥沃化させるのに十分な量になるでしょう。そして生ゴミの山はほとんど全部姿を消すことになるでしょう」。」(土壌の神秘P74より)

この生ゴミ処理は市や新聞などでよい評価を受ける。しかし、生ゴミの有効利用、費用対効果など、色々な点で化学肥料よりもメリットがあるため、脅威を感じた化学肥料メーカによる反対運動にあい、閉鎖に追い込まれる。埋め立て式ゴミ処理場のスペースがなくなることなどは解決されないままに。
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以上は、1950年頃の出来事。このような出来事は日本でも形を変えて起こっているのでは?と思っています。この出来事の後、本書の内容の講演(1958年)を行ったことになります。

本書を読むと、ファイファーがなぜバイオダイナミック調剤に情熱をささげたのかが分る気がします。(本書の前半は、栄養について書いてありますので、バイオダイナミックの重要性は後半部分に少し出てくる程度です。植物の栄養生成過程、人間の栄養の代謝や消化など過程などがわからないと重要性がわからないので、バイオダイナミックと関係してはいますが、農業的なこと(植物の成長とか)については書いてないので、医学の本という分類にしました。)

追伸。。。
ジョゼフィン・ポーターがファイファーの弟子として調剤を作ることを引き継ぎ、現在のジョセフィンポーターバイオダイナミック研究所となったそうです。この場所でこのみさんとベンさんが出会い、生活学校BDファーム(現在は、ソフィアファームコミュニティーと名称を変更)ができました。

   

Edited by たわふ 2011/10/13 23:15:07
Last Modified 2018/04/07 11:00:21

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