スウェーデンのアウリス社の社長さんが来日しました。 by ヨーコ店長
シュタイナー教育の現場での定番のひとつで、
素晴晴らしいグロッケン、シロフォン、ライヤー等を製作する
スウェーデンのアウリス社
http://bbg.auris-musical-instruments.com
今回、その創業者で社長、そしてベテランのオイリュトミスト(オイリュトミーをする教育を受けて、オイリュトミーをする人)でもある、シェル・アンダーソン氏が、楽器のワークショップと、オイリュトミーのワークショップを沖縄で開いてくださいました。
今回のワークショップは、大好評のライヤー作りのワークショップを沖縄で開催された鉢谷さんと、沖縄でライヤーによる音楽療法をされている知花洋子さんが、企画してくださいました。
私は、通訳として関わらせていただき、シェルさんの、子どものように自由で、創造力に満ち、常に人を笑わせる、ユニークで個性的なエネルギー、素朴なお人柄に、とても刺激と感銘を受けました。
洋子店長の依頼により、その事を書かせていただきますね。
☆ ☆ ☆
”オーケストラ演奏にも使用出来るクオリティー”とも言われる、
アウリスの幼児用グロッケン(鉄琴)に触れて、
「響きの美しさに感動した」
「形の美しさに驚いた」
「こども用楽器の概念が変わった」
という方も、多いのではないでしょうか。
私もそうでした。
シェルさんは、今から40年近く前に、
「子どもにこそ本物の楽器を届けたい」との想いから、
アウリス社を創業し、「真実の音」を世界中の子ども達に届けてきました。
シェルさんは、オイリュトミストでもあり、長年、舞台に立っていた経験もお持ちです。
シェルさんは、若い頃からシュタイナーの人智学を学び、20代でアウリス社を創業、ほどなく、オイリュトミーの学校(全日制4年間)に通い始め、その頃はまだまだ小さなビジネスだった生まれたてのアウリス社の社長業、学校、学費や生活のためのお仕事と、すべてを掛け持ちしながらの生活だったそうです。
オイリュトミー学校だけでも相当ハードだと聞きますから、すごい情熱ですね!
今でも、その情熱は変わらず、楽器創りとオイリュトミーは、シェルさんにとって、切り離すことの出来ない芸術活動になっています。
「真実だけを伝えたいと思って仕事をしてきた」
「オイリュトミーは楽器作りにとても大切なインスピレーションを与えてくれる」
そう話すシェルさんの内から、熱い想いが溢れていて、シェルさんの温かいお人柄を通して、参加した方々に真っ直ぐに伝わっていました。
オイリュトミーのワークショップでは、参加者は、”濃厚なシロップ”になったり、”大きな石”になったり、”台風”になったり・・・、
「想像力を使って、創造的に、自由に動くこと」を、まず求められました。
「〜でなければならない、というのはつまらない。オイリュトミーというのは、自由なものなんだ。オイリュトミーが自由なものでなければ、僕は帰るよ!(やっていないよ!)」と、自ら一緒に、汗だくになりながら、動きまわり、踊り、
「オイリュトミーは、空間に、可視不可視の物質的なものを生み出すものであり、その事を片鱗でも体験してもらいたい、と、”体験すること”の中にある「真実」を、一生懸命に伝えてくれました。
参加者のほとんどにとって初めてのオイリュトミーだったのですが、オイリュトミーのワークショップとしてもかなりユニークな内容で、とてもインスパイアされた、ものすごく楽しかった、という声が沢山聞かれました。
休憩時間に歓談する参加者の輪に、ニコニコと笑いながら、近づいて、
「言葉が分からないから仲間に入れてもらえないかな、でも僕も入りたいなぁ・・」と、ジョークを飛ばす、愛嬌いっぱいのシェルさん。
楽器やオイリュトミーへの深い想いや拘りのエピソードからは、ちょっと想像し難いような?、あまりにも気さくなお人柄に、参加者からは、「それで、シェルさん、来月のワークショップの日にちは何日にしますか?」というジョークも出て、シェルさんもとても嬉しそうでした。
子どものような煌きを失わない、素敵なサンタクロースのような温かみを持つシェルさん、気軽でユーモアがあって温かく、だから、彼のオイリュトミーも、楽器も、そうなのですね。
楽器のワークショップ(私は残念ながら全部は聴けなかったのですが)では、「音楽は子どもの中に構造(宇宙の秩序、形成力)を育む」、という事を熱心に伝えてくれました。
アウリス社、そして、アウリスのグロッケンが生まれたのは、当時、既存の子ども用の鉄琴はあまりにも稚拙で、”金属の響きの純粋な美しさ”を体験出来るものでは全くなく、これではいけない、自分が創ろう!と、シェルさんが決意したことがきっかけだったそうです。
そして、研究と努力を重ねた末に、やっと完成したのだそうです。
奇跡のような、音色とデザインの美しさを持つアウリス社の<子どものための鉄琴>は、シェルさんの子ども達への愛情の結晶なのですね。
大切に使えば、親子3代(以上?)でも受け継ぐことが可能な本物の楽器です。
我が家も、我が子の幼少期の育児は、常にアウリスのグロッケンと共にありました。
世界中の子ども達の心の深いところに響く素晴らしい楽器を生み出してくださったことに、シェルさんに心から感謝します。
※グロッケンは、残響の長さや音階によって、幾つか種類があります。
残響の短いシェルタイプのペンタトニックの5音階のものは、0歳から使えます。
※グロッケンの鍵盤は、年月とともに変色したり斑の斑点が出たりするのですが、定期的に金属用のオイルで拭くと、いつまでも美しい輝きを保てるとのことです。
きちんとメンテナンスをして、ぜひ、親子3代(以上?)で使ってくださいね。
(chico)
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Edited by ヨーコ店長 2013/12/14 21:21:14
Last Modified 2013/12/20 08:14:44