自然と、どう生きるか /追悼 小林繁さん(3) by じゅんか
それでね 私が働いたのは喫茶店ですが、本体は「秋神温泉旅館」です。
この「秋神温泉旅館」は辺鄙な場所に、わざわざ来ていただくのだから、という気遣いがすごい旅館だったんですよ。
お料理が美味しい!だけではなくて
盛り付けがすごいんですよ。
山一つ全体が 私有地なわけですから、かごを背負って山をあるき
季節の新緑や紅葉なども 「わあっ....!」と思うような形で飾っておられました。
それがもう、お料理の一部でした。
私が働いた喫茶店で コーヒー一杯頼んだってその心はちゃんとあり、そこには かならず1枚の押し葉が添えられ、「金平糖」を添えてお出ししました。
たかがコーヒー一杯(失礼)なのに、やっぱり「わあ...!」って思うのです。
お星さまのようなかわいらしい金平糖。きれいな押し葉。なんて美しい!
と私も感動していました。
それで 私にとって本当にありがたかったのは、繁さんの「下準備」を見ることができたことです。お客さまに さっと きれいな押し葉を出すためには コツコツと押し葉を作っておかなければなりません。
バックヤードには びっくりする量の押し葉が作られており、
私もその整理を手伝いました。
山の手入れの際に出る小枝の中から よい材を整えて 工作をしておいて、お客さまとさまざまなワークショップをしたりもされていました。
氷のないシーズンにご宿泊いただいたお客様には 撮りためた写真でスライドショーをしながら 自然観察教室、といった ショータイムがありました。
(このころは まだスマホがありませんから、スライド映写機と、ポジフィルムで現像した写真が沢山準備されてました。)
あの アルバイト経験がなかったら、おそらく今のわたしは ないかもしれませんね。
みなさま読んでくださってありがとうございます。
皆さん 欠点の中には 宝がありますよ!
マイナスは、プラスに変わります。必ず。
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Edited by じゅんか 2023/11/30 10:45:37
Last Modified 2023/11/30 14:28:52