童話「カエルの王様」について by じゅんか
オストハイマー社「カエルの王様のおひめさま」が入荷しましたので、少し。
私は子どもが小さいころ、夏場になると このおはなしをしました。
このおはなしは「夏のおはなし」です。
「暑くてたまらない日に」「木陰の」「いずみのそばで」おひめさまがボール遊び(まり遊び)をしているシーンから始まるのです。
だから 真夏のおはなしにピッタリだったんですよね。
グリム童話っていうのは必ずしも 「勧善懲悪」ではないんです。
この「かえるのおうさま」も理不尽なおはなしです。
このおひめさまは 大人目線で見るとけっこうひどいおひめさまです。
約束は守らないし、
助けてくれたかえるをバカにしているし、
ついには かえるを壁に投げつけてしまいます。
もう、ひどいの!ひどいの!とってもひどいの。
でもこのおはなしはハッピーエンドで終わります。
でもね、繰り返し語り聞かせをしたときに思ったことは
うーん、そうだよね。正論で 「約束は守るべき」と言われても、「耐え難い」と思うお姫様の気持ちもわかるし、叱る王様の気持ちもわかります。
最初は 「約束は守るべきだよな」と思っていた私も、
「いや待てよ、同じ状況だったら 私も嫌だ!って言うだろうな」と思ったりします。人間だもの。
そのほか繰り返されるやり取りも 誰の中にもある葛藤ですね。
主人公が完全に清く正しく美しいのも良いんですが、主人公が不完全なのも 悪くはないなと思います。
人はみな、呪われたかえるであり、人はみなお姫様のように気ままな部分を持っています。そんな気がする、2024年でした。
Tweet
Edited by じゅんか 2024/11/02 11:32:46
Last Modified 2024/11/02 14:07:40