北国に、霜じいさんがやってきました。 by じゅんか
本日霜じいさんがやってきて、外はまっしろです。
庭に出てみたら、霜柱がたっていて 足音がくしゅくしゅいいます。
北海道では「霜じいさん」の存在はとてもリアルです。
天気のさまざまに 精霊っぽさを感じるのは エルサ・べスコフの絵本「冬のおしろへ行ったウッレ」の影響ですねー。
大好きな本です。
この本はおはなしそれ自体ももちろんすごく良いんですけど、寒い国に沢山いる 精霊の存在を すごく良い感じに、表現してくれています。
霜じいさんが来た日の朝は 一斉に霜がおります。
霜じいさんが山々や木々に息を吹きかけて回り、白くきらきら輝く景色になります。
そう、でも霜じいさんは あまり怖くはないの。
そして 今まで地上にいたこびとたちが ねっこの下で暮らし始めます。
そう、ねっこぼっこたちが、地面のしたで あそんだり、何かを作ったりしているのです。それもすごくわかります。
厳しい顔をした「冬王様」が来たら、天候が荒れて、北風がぴゅうぴゅう吹きます。
冬王様は強い北風と、吹雪を連れてくるからです。
いまはね、冬王様はまだまだ、もっと北に居て、シロクマとセイウチと一緒にくらしているんですよ。それもなんだか良いじゃないの。
霜じいさんも、冬王様も、大変厳しいひとだけど、季節のなかで 大切な役割を持っています。そう、冬は厳しい季節だけれどとても美しく、私は大好きです。
なんだろうね。心がすっと落ち着きます。
春には春の、夏には夏の、秋には秋の素敵さがあります。
冬も同じで冬が終わりかけるときにはむしろ少し寂しい思いがします。
それがわかるのが「ゆきどけおばさん」の存在です。
いちばん寒い季節のピークをすぎると、「ゆきどけおばさん」がしばしばやってきます。
「ゆきどけおばさん」のホウキには不思議なちからがあって、ゆきどけおばさんがそうじをすると、雪がどろどろと解けます。これがもう、醜く溶けます。
溶けた水がすっと土に入っていかず、水たまりをつくり、道はつるつるとすべります。これが冬の終わりと早春のあいだの「ゆきどけおばさん」のしごとです。
ゆきどけおばさんと 霜じいさんは 交互にやってきて 溶けたり、凍ったりを繰り返します。
だんだんとゆきどけおばさんが強くなっていきます。
ゆきどけおばさんがやってきたら、屋根からぽたぽた 雪どけ水がたれてきますから、ゆきどけおばさんはこうもり傘も持っています。
ゆきどけおばさんは いつもくしゃみをしているの。
それもすごくリアルです。真冬の、一番寒さの厳しいときは案外平気なのに、雪が解けたり、凍ったりお繰り返す時期に、カゼがはやったりします。
「冬」というひとつの季節にこれだけの精霊がいる!と思うととても楽しく思います。
ちょっとうれしい 霜じいさんの日でした。
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Edited by じゅんか 2024/11/08 08:19:49
Last Modified 2024/11/08 09:06:56